4.8.13

カニキュル。

あっという間に8月。

夏のソルド(セール)もほとんど終わってしまった…かなしい。
月日の経つスピードに心も体も全然追いつかないまま、
毎日サラダばかり食べています。

パンケーキ生活からようやく脱出し、
友達との週2のテニスと金曜の外飲み(+狩り)を楽しみに生きる2013年の夏は、
とにかくスピードがすごくて恐ろしい。 

昨晩の外飲み。à 50 otages.

しかし、怖がって逃げてばかりでは何も解決されない。
今日はクラスメイトに誘ってもらい、
重い足をようやく図書館へと運びました。
隣りに住んでいるにも関わらず、
引っ越して以来見事に素通りしまくってたジャック・ドゥミ図書館。

そもそも「ジャック・ドゥミ」って名前がつけられてること自体に
もっとドキドキすべきなんだろうけど、
あまりに自分の近くにありすぎると
灯台下暗しで感情が鈍ってしまうのは、本当に良くない。
あのジャック・ドゥミが育った街の
ジャック・ドゥミ図書館の隣りに住んでるっていうのに…
もっと感動しろ自分!

それはさておき、久々の図書館では論文に必要な本を何冊か借りて
(全部フランス語で読むのか…憂鬱でしかない)
その後そそくさと上階のマルチメディアコーナーに。
思い起こせば去年の暮れに図書館カードを気合い入れて作った割に
2回同じ本を借りただけでまったくちゃんと他のサービスを利用したことがなかった。
(しかも結局読まずに貸し出し期間オーバーして呼び出しをくらういつものパターン)

なので今回マルチメディアコーナーデビュー。
これがけっこう充実していて悪くない。
しかもDVDは一回につき4枚までを6週間借りれるらしい。
さすがジャック・ドゥミ!


すっかり楽しくなってしまい、
さっそく前から気になっていた映画を3作と
論文のためのドキュメンタリーを1作借りました。
その中から今夜見たのは、
ペドロ・アルモドヴァル監督のスペイン映画「ヴォルヴェール〈帰郷〉」。

花のイラストがなんとも素敵

素敵なお花と赤口紅のセクシーなペネロペ・クルスが
バーンと写った真っ赤なビジュアルがとても印象的で
たしか高校生の頃、広告ポスターを初めて見たときから
ずっとその赤が脳裏に焼き付いていて、いつか見たいと思っていた作品。
今日図書館で見たときも、やっぱりこの赤に目がとまって、
手に取らずにはいられなかった。

そして映画を見た感想、とても好き。

ペネロペ・クルスがちゃんと演技してるの、もしかしたら初めて見たかもしれない。

スペイン語話してるのがとてもいい。
あと脇を固める女優が、大好きな映画「Les Femmes Du 6eme Etage」で
スペイン人の家事手伝い役をしている二人でなお嬉しい。

ペネロペたちが着ている服や部屋のインテリアのビビッドでキッチュな色合い、

台所や挨拶シーンの真上からのカットなどなどツボな部分がいくつもあって、
長年気になっていたのにはワケがあったのねと納得。
映画の中でペネロペが歌う(本当は歌ってないけど)
Volver」 というタンゴの楽曲がしっとりと映画にマッチしていてこれまたいい。

フランソワ・オゾンの「8 Femmes」 を思わせる
”男性出演率ほぼゼロ”なストーリーに現実とファンタジーが混じった世界観が絶妙で、
ペネロペのママ役のカルメン・マウラのおちゃめな感じは「ホノカアボーイ」のビーさんみたいだった。
こんな風に今までに見て好きになった色んな映画のことがポコポコ思い浮かぶときは、調子いい。
縁ある作品と出会えたなと思って嬉しくなる。

ボーナス特典で入っていた監督のインタビューも興味深かった。
「自分が一番マスターしている母国語のスペイン語で映画を作るのが一番やりやすいから、
ハリウッドなどに進出せずにスペインで映画を作り続けている」らしい。
たしかにシナリオを書き直したり、セリフの言い回しを細かく変えたりするには、
その言語をマスターしていないと難しいだろう。
当たり前のことを言っているようで、
でもそこをはっきりと潔く言うのは、なかなか私には出来ないのでハッとした。

同じ監督の作品はもう一つ「La piel que habito」 というのを
2年くらい前に映画館で見たけど、あれもかなり衝撃的なストーリーだったなぁ。
画面のザラつき感と色の濃いぃ感じが印象的で、その濃さゆえにすごく古い映画なのだと思ってた。
色とストーリーの濃さに負けない主演のアントニオ・バンデラスの時代はずれの濃さが
さらに映画を現代っぽくなくさせていてよかった。
(アントニオ・バンデラスといえばスパイキッズ…なつかしいな、久しぶりに見たい)

来週からもっと図書館使おう。
「耳をすませば」の雫ばりに通いつめてフランス版天沢聖二との出会いを期待しよう。
いやでもあのツンデレ加減は聖二くんだから許されるのであって、
あんなことをフランス人の男の子にされてもきっとイラッとくるだけだろうな…

コンクリートロード〜♪ 


 

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